あなたは、瀬戸内海の兵庫県神戸市と淡路島の間に架かっている明石海峡大橋をご存知でしょうか?
日本国内で、この橋を知らない人は結構多いんです。
小学校や中学校の社会科で習ったアノ明石海峡に架けられた長さ世界一のつり橋です。
私たちは家族4人の思い出を増やそうということで(単に増やす目的で)、何をするか考えてました。
しかし、4人で考えても、なかなか良い案がでませんでしたね。
うんうん唸りながらネットで調べていたら思いがけないものを見つけました。
それが明石海峡大橋です。
現地へ行って体験して、まさに感動ものだったのでご紹介します。
- 1.家族でどこへ行くか(感動を求めて)
- 2.思いもよらぬ場所を発見
- 3.比べてみた
- 4.明石海峡大橋とは
- 5.明石海峡大橋に決定
- 6.申し込んだ
- 7.ツアー開始
- 8.明石海峡大橋ブリッジワールドに参加した収穫
1.家族でどこへ行くか(感動を求めて)
家族での思い出を増やそうといっても、まあ単に遊びに行きたいだけなんですけどね。
まずはどこへ、何をしに行くか全員で考えました。
どこかへ行きたい、何かしたい。
でも、どこがいいか具体的な案が誰からも出てこない。漠然と行きたいって考えてるだけで、具体的な希望がなければそら出てこんわ。
どうしようか?
どこか行きたい!
インターネットで調べる、旅行代理店のパンフレットを開いてみる。
どれを見ても、観光地の風景・名所旧跡、旅館で源泉かけ流し温泉とご当地の名物料理や菓子のご紹介。
いずれも、甲乙つけがたい素晴らしいものらしいということは想像できる。
しかし、その"素晴らしい"こと以外にもう少し何かが欲しい。
もう少し何かって何?
聞かれると困る。自分たちが一番わからずで困っているんやから。
行きたいところがわからない。
それなら、いっそのこと何処にも行かないことにしようか?
いや、やっぱり、どこかへ行きたい。
決まらん!!
2.思いもよらぬ場所を発見
なにも見つからない、面白そうな・興味を持てそうなところが見つからずに半ば諦めかけていました。
探す範囲を地元の京阪神地区に絞ろう。
インターネットであちらこちらを探していると、パソコンのマウスを持つ手が思わずぶるっと震えたんです。
ちょっと長い時間マウスを持っていると、手がふるえることがある。いよいよ私も年の影響を強く受けるようになったかなあ。
ふう~。ため息がでました。
手が震えた瞬間、パソコン画面の「神戸近辺」を示すところを思わずクリックしてしまったんです。
どうせ神戸港や異人館とか行ったことあるとこばっかりだろうと思いつつ表示された画面を見たら、明石海峡大橋のイベントが出てきた。
明石海峡大橋ブリッジワールド!
なにこれ?
明石海峡大橋って神戸から車で淡路島へ渡るだけやんと思っていたら、違った。
よく読んでみるとスリルありそう。
さてどうするか?
実は東京スカイツリーにも魅力を感じる。
だけど、我が家にとって、どっちが面白そうか? どっちの感動が大きそうか?
3.比べてみた
気になることを列挙して、◎、△などの記号をつけて、明石海峡大橋と東京スカイツリーの相対評価をしてみました。
子供には、ブレストをやってるみたいでいい経験になったようです。
---------------------------------明石海峡大橋---------------------東京スカイツリー-------
・展望台の高さ △海面から290m ◎地上から450m
・視界 ◎360度 ◎360度(休日、天望回廊)
・料金 ◎大人3100円 ◎大人3,400円
中学生1,500円 中高生2,550円
(2019年10月から) 小学生1,550円
※現金のみ。
・スリル ◎かなり怖そう ◎こちらもスリル満点かも
・現地までの旅費 ◎地元やから多くはない ✖関西から行くと高い
・現地周辺の遊び △東京に比べると少ない ◎いやというほどある。
・参加制限 △中学生以上、補助具なしで ◎なし
自ら2km以上の歩行と
階段の昇降が可能なこと。
一旦出発したら、往復で
約1時間30分途中にトイレなし。
滑りにくい靴はNG
(女性のハイヒールもNG)
・募集人員 △午前の部及び午後の部 ◎特に制限なし
それぞれ42名(事前予約要)
・持参物 △身分証明書(保険証、 ◎危険物以外特に制限なし
運転免許証、生徒手帳など)
4.明石海峡大橋とは
ご存知ない人が多いと思いますので少しご説明します。
橋の長さが3,911m、神戸側の主塔と淡路島側主塔の間は1,991mで、世界最長の吊橋。
1988(昭和63)年5月に工事開始、1998(平成10)年4月に完成。
工事だけで10年がかかりました。設計期間も相当長い期間がかかったであろうことは容易に想像がつきます。
参考までに、この距離は阪神・淡路大震災前は、橋の長さが3,910m、神戸側の主塔と淡路島側主塔の間は1,990mでした。建設中の地震の影響で地盤が移動したため1m伸びたんですね。
もう少し書くと、主塔間の1,990mは土台と土台の間のことでして、神戸側主塔のテッペンと淡路島側主塔のテッペンの間はこれよりも9cm3mmだけ長いです。
なぜか?
地球が球体であることが影響しています。明石海峡大橋がすごく長いことが想像できますね。
もう一つ参考までに、建設に要した費用は約5,000億円です。東京スカイツリーの総事業費は約650億円。
愛称はパールブリッジ。実は、私はこの愛称を知らなかったです。地元を除けば知ってる人は少ないと思います。
5.明石海峡大橋に決定
家族で協議です。
あっさり決まりました。
結論としては、明石海峡大橋ブリッジワールドに決定です。
理由は、明石海峡大橋のほうがスリル感がありそうだということ。
東京スカイツリーの展望台はメッチャ高いところにあって素晴らしい景色を見られるけど、ビルの入り口に入ったら、その後はズーッと壁とガラスに囲まれてますね。
450メートルの高さから見る景色はすごいでしょう。
ガラス越しとはいえスリルがあると思います。
それに対して、明石海峡大橋ブリッジワールドは、橋の上を歩くのだから吹き曝しで東京スカイツリーよりも低いけど、スリルは明石海峡大橋のほうが大きそう。
解放感とスリルマックス。4対0で明石海峡大橋に軍配があがりました。
6.申し込んだ
Webでの申し込みに臨んだところ 定員いっぱいの日が多くて日程選択に苦慮したけど、何とか希望の日の午前の部に申し込みができました。
↓ ↓ ↓ ↓ ↓この最上部を目指す。
7.ツアー開始
ツアー当日。家族4人で車で現地到着。
橋の科学館でツアー参加の受付をしてもらい、事前予約済を確認されました。
ツアーガイドの講習会場(小中学や高校の教室程度の広さ)に入って講習開始の時間を待ちました。
時間がきたら、数名のツアーガイドさん(おじさん)が講習を開始。
といっても難しい説明ではなく、危険なことをしないでね、ヘルメットとベストを着用してね、手荷物は貴重品など最小限にして下に落とさないでね、などです。
私たちのグループは参加者38名。
講習が終わったら、最後にもう一度トイレに行かなくてよいか確認がありました。
いよいよ出発。
最初に、橋の科学館で明石海峡大橋建設技術や縮尺モデルの説明などを受けました。
橋の科学館を出ていよいよ橋をわたり始めます。
階段を下って、橋に到着。
足元が格子状の床で、風がそよそよと吹き上げてくる。海面が、波が、見える。
前後左右、下を海が囲む。
一か所ガラス張りの床がありました。50cm×50cmくらいかな。ガラス張りとわかっていてもその床の上を歩くのは怖い。今にも海面に落ちそうです。
参加者は皆、足下がおぼつかない。へっぴり腰で、こわごわ歩いてます。
うちの子供たちは怖がらずに歩いてました。怖くないのか、鈍感なのか、楽しんでいるのか。
足下のずーと下を船が白い波を上げて通過します。
漁船、ボート、運搬船、大型客船などが通過していきます。かなり交通量が多いです。
橋の揺れは感じません。そらそうやろ、これだけでっかいんやから、と自分で納得。しかし、わかっていても怖い。
ここから、神戸側の主塔まで約1kmを約20分で格子状の床の上を歩きます。
息子が疑問を持って聞いてきました。なぜ足下の床が格子状なのか?
答えは自分で考える。ヒントは、重量、風、強度など。たぶん。
さらに進む。
頭上は片側3車線の道路。車が走ってるのがわかる。道路の継ぎ目を通過するときのゴトンゴトンという僅かなタイヤの音が聞こえます。
また、私たちの横を橋の保守車両が走る。普通の道路とは違うけど、普通の道路と同じ感覚で走ってます。
橋の科学館を出発してから約20分で主塔の麓に到着しました。
白い、太い、高い!
足元には床の格子を通して、主塔の土台が見えます。
土台の面積は甲子園球場のグラウンドとほぼ同じ大きさだそうです。
一旦、主塔の入り口前に全員に集合です。
主塔の入り口のドアが開いてます。
ツアーガイドさんが先に入ってます。
中に入ると、エレベーターへの行先が矢印で表示されています。
いよいよテッペンに向かうエレベータに乗ります。
息子から疑問がでた。この主塔はどうやって作ったのか。
ヒントは鉄の箱を組み上げる。
ものすごい精密さでつくられた箱でも、積み上げると微妙なズレは必ず発生するはず。
きっと設計者と現場作業者との間で葛藤があっただろうなあ。
数名ずつ主塔の内部に入って、エレベーターに乗ります。
誰かが最上階(98階)のボタンを押すしました。
乗り心地は一般の高層ビルのエレベーターほどではないような気がしました。
上昇中にときおり、ゴトンと音がしました。でも、これもまた楽しかった。
乗ってる時間は約2分。
エレベータの中は誰も乗っていないように静かだった。息をする音すら聞こえないようでした。
みんな緊張と興奮で息をしていないのではないだろうかと思うほどでしたね。
エレベータの最上階についた。
エレベータのドアが開く。
エレベーターから出る。
いよいよ展望台に出る。
目の前に青空が広がる。
屋根はない。周囲の囲いは約1.5mの高さ。
娘(中央)が壁にもたれて絶景に見とれています。
絶景!!
瀬戸内海の風がそよそよと吹く。あー、これは気持ちええなあ。
夏の陽射しは強いけど気持ち良さが上回りました。
こんなに凄いものをよくまあ作ったもんやなあ!の感想が頭に浮かびましたね。
こどもの疑問がまたまたわきました。
・どうして主塔1本にケーブル4本だけなのか?(息子)
・橋を作るのにかかった費用はいくら?(娘)
・1日に何台の車がとおるのか?(娘)
・どうして主塔高さが290メートルなのか?(息子)
自分で調べてや。たぶん、 本州四国連絡高速道路株式会社のホームページ見るか電話して聞いたら分かる。
このツアーの記念にもらったものに答えが少しありました。
・橋を吊るメインケーブルの太さは約1.1m
・直径約5mmの細いケーブルが36,830本束ねられている
・細いケーブル1本あたりで3.9トンまでの力で引っ張られても耐える。
想像できない。
これ記念品。
8.明石海峡大橋ブリッジワールドに参加した収穫
まずは、スリルを味わえたことですね。
一般では渡れない、橋の保守用環境を渡ることができた。
そして、橋の巨大さを実感できた。
2つ目は、子供が橋に対する素朴な疑問を沢山感じることができたことです。
ただ見て感動するのもいい。だけど、疑問を感じるのはもっともっといい。
物事に対する興味、疑問、疑問を解決する意欲と解決のための調査を行うことに気持ちが向かってすばらしかったです。
私が一緒に調べてやることで、子供は疑問解決の喜びを感じていました。
どうやら息子は技術的なことの根拠に興味をもって、娘はお金などの数字に興味を持ったようです。
おもしろい。
親にとってはいい収穫です。
東京スカイツリーと比較して、どっちがいいのか決めるのは意味がない。
東京スカイツリーに行きたい人は、東京スカイツリーに興味を持って、いろいろなことを好きになって、感動できればそれでいい。
要は好みの問題でしょう。
高さにこだわるならスカイツリーに行けばいい。
私の親にどちらがいいか聞いてみたら、東京スカイツリーがええと言いました。理由は"高い"から。
東京までのお金も高いでと言ったら、ほんならやめとくわと言いよった。
あなたは、どちらを選びますか?