秋です。秋といえば様々な農作物の収穫の季節です。
私の場合は黒豆収穫の季節でして、毎年10月に全国的に有名な丹波篠山市へ黒豆の収穫に行きます。
と言っても学生時代の同期に車で連れて行ってもらうのですが。
例年の私の黒豆収穫活動をご紹介します。
1.黒豆を収獲する場所
私が黒豆を収獲する場所は、兵庫県丹波篠山市です。
その町で黒豆や米を育成している農家にお邪魔して黒豆の一部を収獲させていただいてます。
丹波篠山市といえば高級黒豆の産地です。ご存知でしょうか?
丹波篠山市は兵庫県の南東部にありまして、兵庫県は生産量で黒豆の日本一の産地なんです。
兵庫県以外では岡山県での栽培が多く、続いて滋賀県、京都府、愛媛県など広い地域で栽培されています。
丹波の黒豆は、略して丹波黒(たんばぐろ)って呼ばれています。
まあ、一風変わった名前がつけられていますが、簡単に言ってしまえば黒い大豆です。
丹波黒の特長は、まずその大きさです。
大豆の大きさは、百粒の重さで比較しますが、一般の大豆が百粒当たり30グラム程度であるのに比べて、丹波黒は80~90グラムと大粒です。
その大粒のもちもちした食感で少し甘い味付けをした丹波黒はメチャクチャ美味しいです。
最近甘すぎるものが多いのですが、甘さ控えめがいいですね。
黒豆は、ポリフェノールやイソフラボン等の成分が含まれることから、健康に対する機能性の面からも注目されています。
なお、参考までに書きますが、兵庫県の地図でみると丹波篠山市の北側に丹波市がありますが、丹波篠山市とは別の自治体です。
丹波市も黒豆を栽培していますが、丹波大納言小豆の発祥地として有名です。
この大納言小豆も大粒で美味しいですよ。小豆といえば北海道が有名ですが、私は大納言小豆のほうが好きなんです。好みの問題でしょうけど。
2.黒豆は実ができたときは黒くない
ところで、収穫したときの黒豆は"黒くない"のをごぞんじですか?
一見、ふつうの枝豆で緑色です。ただ、ふつうの枝豆よりも大粒で、さやも豆もわずかに黒ずんで見えます。
大雑把に言えば、実がついても収獲せずにそのまま放置すれば、11月頃には枯れてさやの中の豆が黒くなってきます。
収獲する場合は、葉を落として枝にさやを残したままで、風通しのよいところに吊るして1か月もすればさやの中の豆が黒くなってきます。
あとは、新聞紙などに包むなどして湿気の少ないところで保管しておいて、翌年の5月下旬から6月ころに植えれば2~3週間くらいで芽がでてきます。これで栽培が楽しめます。
下の写真は、種を植えたあと、カラスに種を取られないように黒いビニールを被せたところです。
3.私の収穫活動
3-1.準備
まずは、前日までに収獲作業に必要な道具類を準備します。
・軍手
・長靴
・ハサミ
・汗拭き用タオル
・水2〜3リットル(10月と言えど暑くて汗をかきます)
・ビニール袋(いつもコンビニの大き目の袋を6~7枚)
・傘と雨カッパ
3-2.畑に向かって出発
朝7時頃に大阪駅近くで友人と待ち合わせして、約2時間30分の間、彼の車の助手席で揺られて現地へ行きます。
待ち合わせ場所から現地まで片道約90km。高速道路を使っても一般道だけの場合と比べて所用時間は10分ほどしか変わらないので、一般道をひたすら走ります。
10分ほどしか変わらないのに高速代がもったいない!
さすが関西人!と、関東の人に感心(ばかに)されたことがあります。
ほっといてくれや! 無駄にエエカッコしてもしゃーないやろ!
2時間ほど走行して、地元のこじんまりした朝市広場で一旦トイレ休憩をとります。
周囲は山ばかりで、歩いている人は見かけません。
朝市では地元の野菜が売られていますが、我々が到着する頃はいつも売れたあとでほとんど残っていません。ちょっと寂しい。
ひと休み後再度出発して、9時30分頃、黒豆の畑に到着です。
現地で待ち合わせした友人二人と合流。
軍手、ハサミ、ビニール袋を準備して、いざ収穫へ!
3-3.収獲作業
最初に、黒豆の木の根本を大きな枝切ハサミで切ります。
幹の根本の太さは直径7~8cmくらい。結構力がいります。
写真に写ってる感じで大きな枝切ハサミを使って切ります。写真は友人が切ろうとしているところです。
黒豆の木を切ったら、豆のさやがついてない枝と葉を持参したハサミで切り落とします。
必要な部分を残しながらも極力余計な部分を切り落として持ち帰りやすくします。切り落とした葉や枝は用がないので、自分たちで決めた廃棄場所に集めます。立ったり座ったりで結構しんどいですよ。
ワイワイとたわいもない話をしながら作業を進めるのですが、しゃべり過ぎて疲れたら、時には無言で淡々と作業することもあります。
作業を進めているとだんだんとハサミを握る手がだるくなってくるんですね。
ブラブラブラっと両手を振って、リラックス。
少し時間が経つと、我々を見かけて畑の持ち主が、すぐ傍にやってきて話しかけてきます。
畑の土の状況、黒豆の育ち具合、モグラが畑を荒らしていることなどいろいろなことを教えてくれます。
今年は黒豆がよく育ったとか、出来がよくないとか、生き物ですから年によって状況が変わるのはしかたないですね。
いつもながら、にこやかに、時に大笑いしながら話してくれる人当たりの良い70代半ばのご主人。
こんなにいい場所で作業をさせてくれることに全員で感謝です。
10分ほど話をして畑の持ち主が去っていきます。これもいつものパターン。これがないと寂しい。
作業再開です。
豆が1粒だけのさや、1粒のさや、3粒のさや、大きな豆に育ったさや、小さな豆のさやなど形や大きさがさまざまです。
せっかく育った豆を枝につけたままでしっかり集めて、用意したビニール袋にどんどん放り込んでいきます。
4人の男どもは思い思いで各自休憩を挟みながら作業を進めていたら、あっという間に昼の12時です。
2時間30分たっぷり作業をしました。
一人で7~8本の木から豆を取るとさすがに手が疲れます。
枝に豆のさやがついた状態にしているので、私がもってきたビニール袋枝付きの豆でいっぱになって、かなりの重さです。
なぜ、枝に豆のさやがついた状態にしておくのか?
黒豆の味が落ちないようにするためなんです。
枝につけたままにしても1週間以内に茹でて食べるのがいいですね。
あまり日数をおくと味がおちます。
本日の作業はここまで。
3-4.後片付け
私の成果はコンビニでもらう大きなビニール袋で7袋。
1袋持ってみます。重いです。何キロくらいあるのかな?
とにかく持って歩いて帰るわけにはいかないので、車に乗せます。
あとは、切り取った不要な枝や葉を決められた場所に集めます。あとは畑の持ち主が処分してくれます。
にこにこしながら「あとは、任しといて」と言ってくれるので、大助かり。
畑の持ち主に退去のご挨拶をして、いざ帰宅へ。
丹波黒を収穫させてもらえるだけでありがたい。
4.いざ帰宅
13時30分頃、車で畑を出発。
途中のコンビニで、昼食。
4人がそれぞれ好きなものを買って腹を満たします。
私は、おにぎり、サンドイッチ、ペットボトルのお茶で済まします。これもいつものパターン。
14時30頃コンビニを出発して、友人は私の家まで送ってくれました。
16時30分頃我が家に到着です。
「じゃあまたな」の一言で友人が帰宅します。
さっそく、私は家で妻と一緒に豆のさやを枝からはずします。
畑の作業である程度は枝や葉を落としておきましたが、それでも1時間近くかかります。
さやを小分けにして、小さめのコンビニ袋に入れてご近所へ配ります。
もちろん親元や親戚にも配ります。
とりたての丹波の黒豆と言うだけで、皆大喜び。
以前、豆を湯がいて食べた人があとになって言ってきたことがあります。
「すごく美味しかった。黒豆って聞いてたけど緑色で黒くなかった。なんで?」
「収獲直後は緑色だけれど、なにもせずに風通しのいいところに置いとけば1か月ほどで豆が黒くなってくるよ」
腑に落ちな顔をしながら、帰っていきました。
やはり、黒豆のことを知らんひとは多いなあ。
ご近所に配っただけで大したことはしていないが、ご近所との会話が弾みます。
そして、我が家を含めてご近所間で付き合いが円滑になるんですね。
いざと言うとき助け合いができるので潤滑油です。
さて、我が家の分を妻が湯がきました。
我が家ではお鍋に水を入れて、1リットル当たり20グラムくらいの塩を入れます。
塩加減は各家庭の好みに合わせてどうぞ。
豆のさやを湯がく前に、さやの両端を少しずつハサミで切ります。
そうすることで、湯がいたときに塩分がしみ込みやすくなり美味しくいただけます。
湯がき終わったものから、妻は順番に味見と言いながらつまみ食いを繰り返しています。
つまみ食いしすぎて、毎年夕食を食べる量が少な目です。
まあ、美味しいからいいですが。
今年の黒豆収穫が待ち遠しい。